理想の看護を実現するために「アセスメント」を学ぼう!
アセスメントをする際は細かい部分まで丁寧に情報収集をしてください。その上で客観的に評価・分析することが大切です。
集めた情報を基に現在問題となっているポイントや今後の流れを考察するため、初期段階の情報収集がカギとなります。アセスメントに用いられる情報は様々です。バイタルサインや検査のデータ、患者の表情、患者本人から発せられる言葉、排せつの状態など、多岐に渡る情報を相互に関連づけ、さらに裏づけを取りながら問題を分析します。
集めた情報を3つのステップでまとめていきます。まずは対象者の現状を把握しましょう。その上で現状につながる原因を特定し、理由を考察します。それが明確になった後、現在の状況から今後の展開を考えてください。
例えば、得られた情報が「肺炎」「喀痰多量」「SpO2が95%」だったとします。その場合は「喀痰が多くSpO2が95%と低いため、酸素供給が上手くいかず呼吸困難な状態である。肺に炎症が起きて肺血管の拡張に伴う浸出液が増加し、喀痰が増加したため、今後さらなる呼吸困難につながる恐れがある。よって、看護ケアが必要な状態である」となります。
これはあくまで例なので、実際にはより複雑なアセスメントになることも少なくありませんが、このステップをふまえてアセスメントを作成すればわかりやすい内容にまとめられます。
アセスメントにおける情報収集で意識すべきなのが、患者とのコミュニケーションです。頭の中で関連図を描き、患者の全体像を把握するようにしてください。身体面・精神面・社会面で分けて考えます。患者本人だけでなく、家族や会社の人たちなどとの関わりを含めて考えましょう。例えば、患者が普段置かれている環境が、自身が抱えている疾患についての情報が入ってこない環境だった場合、疾患に対する恐怖や不安から医師の説明を上の空で聞いているかもしれません。そうなると疾患に対する理解が乏しくなり、治療は思うように進みません。それだけでなく、退院後の自己管理も困難になってしまいます。
そこでしなければならないのは、患者としっかりコミュニケーションを取って疾患に対する理解を深めてもらうことです。焦らずゆっくり理解してもらうように、指導の時間を多めに確保しなければなりません。指導の最後には必ず覚えておいて欲しいことを復唱するなど、何らかの工夫も必要でしょう。そうすることで患者の疾患に対する理解が深まり、退院後の自己管理にも積極的に取り組んでもらえます。
このように、アセスメントをする上で患者の情報を集め、全体像を把握することで何が不足しているかを知ることができ、最適な看護計画を立案できるようになります。