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アセスメントのために集めた情報を整理するコツ

アセスメントを考察 [看護 the WEB]

理想の看護を実現するために「アセスメント」を学ぼう!

情報は理論に基づいて整理する

情報は理論に基づいて整理する

情報を整理するポイントを紹介します。情報を上手く整理することで着目すべきポイントが明確になり、スムーズに看護計画を立てられます。

看護理論の枠組みを理解する

集めた情報は看護理論に則って整理しましょう。看護理論とは、看護における知識を体系化し、看護に関連した現象を明確に説明するためのものです。代表的なものとして挙げられるのは「ヘンダーソンの【基本的看護の構成要素14項目】」「オレムの【セルフケア理論】」「ロイの【適応理論】」です。それぞれ理論に基づいた看護の視点があり、アセスメントの枠組みが設けられています。学生時代に習った記憶のある看護師も多いかと思います。特になじみ深いのはヘンダーソンの看護理論における枠組みでしょう。

SとOに情報を整理する

情報を収集したら、まずはSとOの情報にそれらを振り分けます。Sは主観的情報、つまり患者本人が話した内容です。一方、Oは客観的情報、こちらが観察した事実のことです。アセスメントのミスとして多いのが、SとOが間違った内容になっていることです。例えば、患者が腹部に手を当てて、前かがみになり眉間にしわを寄せながら「お腹が痛い」といっていたとします。この場合、「お腹が痛い」という情報はOに分類されると考える人もいるかと思います。しかし、実際はSに分類されます。なぜなら「お腹が痛い」は患者本人が発した言葉そのものだからです。この場合のOは、「腹部に手を当てて、前かがみになり眉間にしわを寄せている」という観察した事実になります。
このように、SとOを間違えることでアセスメントにミスが発生してしまいます。

推測で判断しない

SとOの情報がまとまったら、次はこれらの情報からアセスメントを組み立てていきます。その際に重要なのは、SとOにはない情報から判断しないことです。SとOにはない情報から解釈したアセスメントも、よく起こるミスのひとつです。個人の推測が混ざっている状態で、アセスメントの目的が明確になっていない場合に発生しがちです。アセスメントはあくまでもSとOの情報から解釈します。そのため、それ以外の情報からアセスメントをするのは基本的にNGです。
また、記録に慣れていない看護師は自分が得た情報と疾患をすぐに結びつけてしまう傾向にあります。具体的な疾患がわからなくても、患者の状態を知ることはできます。その際は、「今この患者はこのような状態である」と記録するまでにしましょう。大切なのは「疾患が何か」ではなく、得られた情報から判断する「患者に起きている問題は何か」です。